秋葉原の変化を研究していた建築学者の森川嘉一郎がコミッショナーとして企画構成を行い、その秋葉原におけるおたく文化の担い手でもある造形メーカーの海洋堂や原型師の大嶋優木など9組を出展作家にして、特定の趣味嗜好を持つ人々の集中による街の風景の変貌や、公共空間の変質に焦点を合わせた展示が行われた。
実際のおたくの個室のミニチュア18例、その趣味的アイテムのフリーマーケットたるレンタルショーケース店の再現、おたく文化の大規模な祭典であるコミックマーケットの会場レイアウト模型、秋葉原の専門店を彩る広告物の移植などを通じ、おたく趣味による私的空間の特質と、その公共空間や街への拡大展開が展示的に再現された。街を変貌させた「人格」を主題に据えることによって、都市変化の新たな状況や原理を提示するものであった。
展示は、「おたく文化をひろめることに貢献した」として、第36回星雲賞(主催:日本SFファングループ連合会議)を受賞した。



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第9回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展
- 総合テーマ
- METAMORPH
- 総合キュレーター
- Kurt W. Forster
- 会期
- 2004年9月12日~11月7日
- すべてのテキストは当時の情報をもとに構成しています。