写真提供:美術出版社
1968 第34回
ヴェネチア・ビエンナーレ
国際美術展

ヨーロッパ各地で起こった学生運動で生じた混乱によって、この年、日本もビエンナーレへの参加が危ぶまれたが、日本館は針生一郎コミッショナーの判断により、予定通り公開された。

出品作家には、日本の前衛芸術を牽引する4名が選出された。三木富雄は、1962年から粘土や石膏、アルミニウム合金による鋳造などさまざまな素材を用いて、執拗なまでに「耳」をモチーフに制作をしたことで知られる。本展でも、プラスチックと金属を用いた「耳」シリーズの彫刻を展示した。

1962年に続き2度目の参加となった菅井汲は、曲線や幾何学模様で構成された油画9点と、絵画を三次元に出現させたかのような立体作品4点を出品。また、前衛芸術集団「実験工房」のメンバーとして活動し、日本におけるメディア・アートの先駆者として知られる山口勝弘は、アクリル板でつくられた幾何学的な立体を蛍光灯で照らし出す《サイン・ポール》など3点を出品した。

「ハイレッド・センター」の中心メンバーとして、1964年の東京オリンピックを前に、東京の路上で反芸術的な活動を繰り広げた高松次郎は、絵画における遠近法を三次元で再現した「Dimension Perspective」シリーズを展開し、遠近法の違和感や原理の転覆を示そうと試みた。高松はこの年の「カルロ・カルダッツォ賞」を受賞した。

写真提供:美術出版社
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日本館 展示概要

出品作家
三木 富雄 | 菅井 汲 | 高松 次郎 | 山口 勝弘
コミッショナー
針生 一郎

第34回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展

総合テーマ
総合キュレーター
Gian Alberto Dell'Acqua
会期
1968年6月22日~10月20日
すべてのテキストは当時の情報をもとに構成しています。
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