2018 第16回
ヴェネチア・ビエンナーレ
国際建築展
建築の民族誌

キュレーターを務めた貝島桃代は、ロラン・シュトルダーと井関悠をキュレーターチームに加え、国内外の大学、デザインスタジオ、建築家、美術家など42組を出展作家に選出した。

展覧会は、建築と都市をテーマに、リサーチやフィールドワークによって現代の人々の暮らしと都市の現在を観察し、ドローイングを用いたガイドブックとしてまとめて行く手法が取られた。貝島は、「暮らしを、産業の側からではなく、生活者側から描くために、生態学的、建築的に把握する」ことを「建築の民族誌」と呼ぶ。本展では、世界各地から建築作品のドローイングを集めることで、21世紀の建築像を照射することを試みた。

42組による作品は、建築について描かれた「建築のドローイング」、建築のガイドブックとして描かれた「建築のためのドローイング」、建築環境や周辺の生活をともに描いた「建築のあいだのドローイング」、建築を取り巻くエコロジーやネットワークを考察したパノラマや図表などを紹介する「建築のまわりのドローイング」という、4つのセクションに分けて展示された。また、展示室の階下にあるピロティ部分には、紙や鉛筆などが用意され、観客が自由にドローイングを描いて参加できる場も設けられた。

会期中にはワークショップを開催。スイス、日本、オーストラリアから参加した学生チームによって、ヴェネチアの12の広場について、ヴェドゥータという歴史的都市絵画と現代の状況を比較考察しドローイングに表現した「パブリック・ドローイング」が制作された。

©︎AndreaSarti/CAST1466
©︎AndreaSarti/CAST1466
©︎AndreaSarti/CAST1466
©︎AndreaSarti/CAST1466
©︎AndreaSarti/CAST1466

日本館 展示概要

日本館テーマ
建築の民族誌
キュレーター
貝島 桃代
キュレーター・チーム
ロラン・シュトルダー | 井関 悠 | ETHZ Studio Bow-Wow
テキスト
出展作家
Oswald Adande | 青井 哲人 | NPO福島住まい・まちづくりネットワーク | 福島アトラス制作チーム | アーキエイド牡鹿半島支援勉強会 | ASSEMBLE with Marie Jacotey | Piotr Bujas | Łukasz Stanek | Alicja Gzowska | Aleksandra Kędziorek | BUREAU A, Burø | Emanuel Christ and Christoph Gantenbein / ETH Zurich | Marie Combette | Thomas Batzenschlager | Clémence Pybaro | Constructlab | Crimson Architectural Historians with Hugo Corbett | Drawing Architecture Studio | Niklas Fanelsa | Marius Helten | Björn Martenson | Leonard Wertgen | Adam Frampton | Jonathan D. Solomon | Clara Wong | Fernando García-Huidobro | Diego Torres | Nicolás Tugas | Gede Kresna | Florian Goldmann | GSA Unit 14 / University of Johannesburg | 慶応義塾大学SFC / 石川初研究室 | Ismael Sheikh Hassan / KU Leuven | Dirk E. Hebel | Melakeselam Moges | Zara Gray | Something Fantastic | Interboro Partners | Andrew L. Jenner | John Braben | Éva Le Roi | MAP Office | Titus Matiyane | 宮下 幸士 | Joseph Myerscough with Sarah Mills / Leeds Beckett University | 瀝青会 | 中谷ゼミナール | Jan Rothuizen | Martijn van Tol | Dirk-Jan Visser | Aart Jan van der Linden | Rural Urban Framework and Sony Devabhaktuni / The University of Hong Kong | Junko Sanada | Dubravka Sekulić and Karl Nawrot | Studio Tom Emerson / ETH Zurich | Do Ho Suh | 須藤 由希子 | Juan Carlos Tello | トミトアーキテクチャ | David Trottin | Jean-Christophe Masson | Franck Tallon | Urban Risk Lab / MIT, Hiraoka Lab / Miyagi University MISTI Japan / MIT, Reischauer Institute /Harvard University | Lys Villalba | Who Builds Your Architecture? | 山口 晃
主催
国際交流基金
特別助成
公益財団法人 石橋財団
関連リンク

第16回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展

総合テーマ
FREESPACE
総合キュレーター
Yvonne Farrell, Shelley McNamara
会期
2018年5月26日~11月25日
すべてのテキストは当時の情報をもとに構成しています。
close閉じる